ストラトの主なボディ材は軽い順に、アルダー → スワンプアッシュ → ホワイトアッシュとなる。
現代の『アッシュ』とはホワイトアッシュを指すらしく、初期のスワンプアッシュやアルダーに比べて重い。
その分、低音も出てまとまりも良いのだが、初期の軽めのスワンプアッシュは今は殆どないようだ。
アッシュボディのストラトの重さはまちまちで、重いものではストラトのくせに4.5kgくらいのもあったらしい。
(4キロ超えたらストラトではないよねぇ、レスポール並みだよねぇ、持ちたくないよねー。)
この個体差のバラつきがアッシュの厄介なとこで、1本ずつ音色が違うので製品としてどうなの?って気がする。
アルダーは木目がハッキリして「いない」ので、白や黒の塗り潰しに。アッシュは綺麗な木目を生かしたナチュラルが定番だ。
木目が透けてるサンバーストは比較的木目の良いアルダーを使い、ブロンドはレオ・フェンダーの強い意向で当初から現在もアッシュらしい。
一般的に『アルダーの音は甘く、アッシュは硬い音』とされている。
アッシュの方が重いので低音が出てピッキングの反応が速いとも言われる。
ゴリっとした音、バキンとした音、と例えられ、どのみちアルダーの『あの音』ではない傾向。
アルダーはハーフトーン時は特に『パリンパリン』なイメージで、アッシュは『パキンパキン』な感じかな?主観ですがw

◆歴史的背景

1965 に CBS に買収された後の Fender では、ヘッドのデカールを大きくして目立たせたいという販売意向でラージヘッドが主流に。
66~81年まではラージヘッドだったらしい。
つまり、おいらがバリバリ影響を受けた70年代は全部ラージヘッド。
でもネックとボディの組み合わせをひも解く上で厄介なのが、ネックは U シェイプのメープルにメイプル指板を貼った「貼りメイプル指版」とローズ指板が、ボディはアルダーとアッシュが混在していたんだ。(入手できる材で作っていたため時期によって違っていたらしい。)
ネックのジョイントも65~70年は4点留め、71~81年は3点留めだった。
3点留めはネックに横から衝撃を与えるとセンターがずれるという症状があり、後に4点留めに戻すのだが、良し悪しではなく、3点留め方式が音色に影響している要因は充分に大きいよね?ジョイント部分なんだから。
さて、ジミヘンやリッチーは白のストラトだったから、現在だったらほぼアルダーなハズなのだが当時は何だったんだろう?
アッシュって材はアルダーに比べバラつきがあり重さもまちまち。
重いものは 4.5Kg くらい、アルダーだと 3.3Kg 前後だからプラス 1Kg の差が音色に影響しないはずがない。
先にも書いたが、白・黒塗りつぶしは木目はどうでも良いのでアルダーが使われていたが、なんと、現行の Fender Mexico の 「70年シリーズ」 では白・黒もアッシュのようだ。
アッシュの方がロックっぽいイメージなんだが、ジミヘンもリッチーも白だったから、アルダーだったのか?
それともアッシュの白だったのか?個人的にはアッシュだと思ってはいるが、確証はない...
ずっと以前からラージヘッドのサンバーストのストラトを探していた。
トラスロッドが上に出ていて、ネックが3点留めでローズ指板のもの。これが無いんだよねー。
おいらが求めてるのは『暴れた音、ブーミーな音、下品な歪み方をする音』←伝わり辛いかなあ?
まあ、そのイメージは勝手にラージヘッドと3点留めが要因だと思っているのだけれどね。
C/S 製の '70 はごっつい丸太ネック (無しよりの無しw) で 3 way SW だし、そもそもサンバーストは無い。
やっとあったのは MEX!各部仕様は希望通り!で、結局メキシコの '70 Classic Series のサンバーストを購入したのだが...

◆そもそもサンバーストはアルダーでしょ?

上記と重複しますけど、Fender 初期のストラトは軽量なスワンプアッシュ。だんだん入手困難になって後にアルダーに変更。
アッシュは木目を生かしたブロンドやナチュラルが、アルダーは白、黒塗り潰しやサンバーストが主流だった。
ところがアッシュでも白、黒、サンバーストは存在していた?!70年代後半から再びアッシュボディとなり、全色アッシュみたいな時期がね。
そしてこの頃のアッシュはホワイトアッシュなのでめっちゃ重い。
初期のレオ・フェンダーはアッシュに拘ってストラトを作ったらしいが、今ではアルダーの枯れた音がストラトのイメージになっている。
アルダーの方が甘い音で扱いやすい。アッシュは本当に難しい。個体差が激しく製品にバラつきがあるからだ。
で、ゲットした MEX のこのシリーズは全色アッシュ。サンバーストだからアルダーと思ってたのに、ね。
アルダーと弾き比べれば音の差は歴然。思い浮かぶあのストラトのは出ない!笑
でも手に入れたギターは結構気に入った。3.8kg とやや重め。低音も出るがもっさりせずにピッキングの反応が速い。
アッシュは音が固いと言われるが、固いというよりは粒立ちが良い印象。
最近の MEX はもう USA と大差ないんじゃないかな?調整が若干酷かったが、ちゃんと調整すれば良く鳴りますよ。
あ、でも塗装はポリウレタンなのでレリックシリーズみたいには鳴らない。
MEX のレリックシリーズは最初から塗装が薄いのでずるいのだ!あれは良く鳴るしコスパは最高だよね!って、話がそれました。
◆Fender USA 62年の形のスタンダード。1984購入。現在は見事に白が黄ばんだ34年もの。
ネックジョイントは4点留め、ヘッドの大きさはスタンダード。
当時自分でカリブレイト (逆巻きコイル) のシングルを合わせてハムにもなる『4 Single』構造に改造。←ノミで手彫りでザクって仕込んだ!
現在激鳴り中!アッシュやメープルのような固い材は、経年劣化で激鳴りするようだ。
白塗りつぶしだがアッシュ疑惑。ホワイトアッシュだとしたら軽め。もしかしたらスワンプアッシュなのかも? ←だったら嬉しいw
この音はそうそう売ってない!パリンパリンにならないハーフトーン、暴れる歪みは最高過ぎる!
(ラージヘッドでは無いがボディがアッシュで重めなので、枯れて暴れまくるんだと思ってる。)
気合いの入った曲のレコーディングには迷わずコレ。
Fender USA スタンダード。1989年購入。レースセンサー搭載の初期シリーズ。
銀色だったのにラメが緑化して今は見るも無残な抹茶色になっちゃった。涙目
これもノミでしゅこしゅことサイドから穴をあけてコネクターを付け、ギタシンコントローラーを内蔵。
でももうとっくにギタシン本体が無いので意味が無い!w
いわゆるアルダーの音で、経年劣化で味のある枯れたストラトの音が出る。
アッシュと比べると線が細いというか、繊細。悪く言うとパリンパリンな音。
低域は無く、中域が甘い。歪ませれば泣きのソロもできる。ストラトの『あの音』が欲しけりゃ出番だ。
ブーミーな歪み?難しい例えだよね。歪が汚い?コントロールし辛い音?とにかくジミヘンっぺーイメージなんだけども。
乾燥した軽い材だと音は暴れやすいが低音が出ない。
重いと低音が出るが、まとまりが良くなって音が暴れない。
おいらは U シェイプネックやラージヘッドが怪しいと思った。ネックも鳴るからね。
ラージヘッド + アルダーが良かったんだけど、カスタムショップ製でしかないみたい。
MEX のアッシュボディはアルダーのものより500g程重いので低音が出るが、塗装が今風なので材が鳴っている感じは薄く暴れが足りない。
まぁ鳴りに関しては経年劣化の要素が加わらないとダメですな。とは言え、この先暴れそうな雰囲気は強いので期待している。
先の古い黄ばんだアッシュのストラトは、もう暴れまくって大変!w でも新品でこの音は絶対に出ないわけで、悩ましいところ。
というわけで、ストラトは材やネックジョイント方式などが音に影響し、それらを聞き分けられるちゃうので悩みが深い。
そして今回 、アッシュボディのオーダーメイドは無理だと強く思った。
アルダーは個体差は小さいのでバラツキも少ないが、アッシュは現物を弾くまで個体差ありきで賭けでしかないという。
なのでストラトを持ってない人の最初の1本はアルダーをお勧めします。
アッシュはくせ者過ぎて当たりと出会うのも運だし、繊細なストラトの音はしないので。
先ずは自分がイメージしてるギタリストのストラトがアルダーなのかアッシュなのか、調べておくと良いかもですな!

プライバシーポリシー
このサイトの画像は著作権により保護されております。無断での転用・転載はご遠慮ください。

Copyright © 2019 HS Works MAKE TUNES.